「映画」「舞台(芝居)」「TVドラマ」「TVゲーム」「特撮」「俳優」「バラエティー」「お笑い芸人」「漫画」「小説」「怪談」など批評、評価、感想、意見、注文、いろいろ書きます。
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2007.12.30
 この作品に不満がないわけではない。(はっきりいって、おこがましいです。)
 星護監督に注文!以下5つの点。

№1 向坂が椿に向けて、いきなり声を荒げる台詞が多すぎる。もう少し減らしてもよかったのでは。昭和15年、日本は戦争への道を歩みはじめた時期なので、軍国主義のイメージからしかたないのかもしれない。

№2 警視庁外観(守衛が左右2人いる)で、椿が「びびる」シーンが数秒あるが、1日目は警視庁という建物の威厳、権威という意味で必要だと思うが、2日目以降は、このシーンは必要ないと思う。もし必要なら今度は椿が「びびらずに」入るべきだろう。向坂の無理難題を、が脚本の手直しをして日々戦っているのだから。

№3 7日目、椿が取調室を出ようとする時、向坂が「待てっ!」といって扉のドアを開けて、「誰も入れるなっ」というシーンは不要だと思う。星護監督は、廊下の制服警官役 高橋昌也を撮りたかったのだろう。しかし扉のドアを開けることによって椿と向坂のやりとりのいい場面が少し途切れてしまった。

№4 7日目の向坂の回想シーンで台本を読みながら笑う、自宅の食事の時、妻(と思われる)の茶碗を持つ「手(首)」のシーンは不要だと思う。細かいけれど、わざとらしい演出。

№5 椿一役の稲垣吾郎だろう。ダイコンの部分(下手な演技)が多く、アマゾンのカスタマーレビューではミスキャストではないかと書いている人がいたが、そこまで書くのは酷すぎるだろう。確かに他にもっと良い役者がいたのも確かだ。例えば、勝村政信。実はこの人よりも一押しの役者がいる。その人の名前は東根作寿英。(目立たなく地味なのだが、いい役者だと思う。)

 この「映画版」と「舞台版」を、そっくり役者を換えて考えてみた。どちらも別に、さして問題はないだろう。ただ西村雅彦(さんには悪い)が役所広司ほどの演技が出来るとは思えない。役所広司が上手すぎるからだ。

 もう一つ「映画版」が「舞台版」よりいいのは、向坂と椿の2人との間に「年齢差」があることだ。(この場合は、役所と稲垣との年齢差という意味である。)警察で台本の検閲をする強い立場の向坂と、台本の検閲を受けなければ、上演許可がおりない弱い立場の椿一。「年齢差」があることによって、上下関係がはっきりしている。

 この作品も三谷の筆力に脱帽するばかりだ。2人芝居をここまで脚本にできるのだから、三谷の才能はとどまる事を知らない。書きながら言葉があふれてくるのだろう。また三谷幸喜にしてやられたと思う作品だった。
 
 また星護監督が、(三谷自身が、この作品を映画でやりたかった事すべてが)見事に堪えてくれたと三谷は思っているだろう。

 この映画「笑う」ということはなにか?とテーマが一貫しているのもよかった。

 これで「笑の大学」については終了です。
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2007.12.29
 最初、椿の仕事に対して何の興味も無かった向坂が、どんどん椿の書いている脚本に興味を持ち最後には劇場にまで足を運ぶようになる。向坂の微妙な心境の変化が見て取れるので、舞台版よりも映画版の方がすぐれている。だから映画版の方がいい。

 1日目~4日目まで、実はあまり面白い(笑える)ところが無かった。ところが5日目から一気に私のボルテージは上がった。

 向坂睦男役の役所広司の演技だ。馬鹿の役をやらすと本当に馬鹿に見える。役所広司って、なにやらしても上手い役者だ。(私の中でSランククラスの役者。)

 警官の格好をして走り回るシーンがあるが、あれくらいやってもいいと思う。6日目の最初の場面、役所さん自身が真面目にやればやるほど馬鹿に見えてくる。そこがまたおかしい。

 三谷脚本の「転~結」にかけての上手さが光る。ここからが驚くべき展開を見せる。

 椿が(向坂にわかってもらえると思って)今までの事を吐露するのだが、向坂が共感するどころか、「聞きたくなかったっ!」と逆に声を荒げる。そして「笑いの要素を一切排除して下さい。」と椿に挑戦状を叩きつけるのだ!

 「笑いのない喜劇を書けっ!」確かに出来るわけがない。ところが椿は、「やってみなくちゃわからないだろっ!」と声を張り上げる。椿のモデルは、喜劇王榎本健一(通称エノケン)がモデルといっているが、この台詞を聞いて実は三谷幸喜自身でないかと私は錯覚したのだが。

 向坂と椿の会話に、回想シーンで青空寛太の「猿股失敬っ!」や、モギリのおばさんなどの、ちょっとした場面も小気味いい。

 そして最後の7日目、椿は笑いのない脚本を書いてこないどころか逆に笑いが絶えない脚本を書いてきた。椿に赤紙が来ていたのだ。

 「君の本がもっと読みたい、君の作った舞台が観たい、もっと私を楽しませて欲しいんだ。」と、向坂の台詞があるが「君」というのは三谷自身で、向坂は三谷の望んでいる観客ではないかと思う。私の考えすぎだろうか。

 最後に椿が長い廊下を歩き立ち止まる。向坂かドアを開けて、
 向坂の最後の台詞は感動的だ。「生きて帰って来ーーーい。~~~。大好きなんだ。」 これまた泣けるシーンだ。だから映画版の方がいい。

 4日目の夜、向坂は劇場の前まで行って立ち止まるのだが、そのまま帰る。5日目の夜は劇場に入り上演される演劇を見る。(どういうところなんだろうと、恐る恐る向坂が上演中の舞台に入るまでのシーンの星護監督の撮り方がまた上手い。)7日目の回想場面は、劇場で上演中の作品を観ながら笑っているのではない、泣いているのだ。向坂が観客と同じく笑っていたらこのシーンは台無しだっ!

 「笑う」ということに感動しているのだ。「笑う」ということがなぜ重要なのか。「笑う」ということがいかに人生を豊かにするのか、この向坂は、はじめて気がつくのだ。心の底から笑う、家で、路上で、電車の中で、仕事場で、ベンチのシートで。

 向坂が上演を観て泣いているシーンは本当にいいシーンだ。思わず私も泣いてしまった。 

 向坂の場面を細かく心理描写できる星護監督は、やはり三谷脚本を、よく理解していると思う。これもまた舞台版ではない演出。だから映画版の方がいい。

 瀬戸内寂聴さんをテレビで見て、一言耳にした事がある。「人間は、笑うって事をしなかったら幸せは絶対にやってこない。」なるほど上手い事言うよね~。 

 椅子と机の位置、窓と太陽の光の撮り入れ方も上手い。

 この映画版の評価を一段と上げているのが、音楽の使い方(=挿入の仕方)だ。音楽(曲調)もすばらしい。最近見た映画の中で、これほど音楽が印象に残る作品は珍しい。

 普通の映画ならスタッフロールが流れると、映画館では席をはずして去る人が多いし、DVDで見ているなら早送りだろう。エンディングまで凝りに凝って作っているので最後まで観てしまう。星護監督のセンスの良さを感じる。

 これも舞台版だと、「あれれっ、終わり!?」と西村雅彦と近藤芳正の挨拶で味もそけっもない。音楽があることによって、映画版が非常に印象に残る。だから映画版の方がいい。

 その3も書くよっ!

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2007.12.28
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 12月1日に「笑の大学」の舞台版より映画版の方がなぜいいのか?というのを書いた。「だから映画版の方がいい。」という書き方をしたいと思う。

 人物名敬称略です。

 まずこの「笑の大学」映画版をレビューする前に、なぜ三谷幸喜が「星護」という監督を指名したかということだ。共同テレビには、本広克行、落合正幸、若松節朗、鈴木雅之、村上正典など、才能あふれる、監督、演出家が多い。

 検索エンジンで映画公開前、メディアプレイヤー(今は動画は見れない)で三谷は宣伝をしていた。「この映画を自分で監督するのは手におえない。」と言っている。私もそう思う。三谷は映画監督だとすれば初心者だからだ。

 星護監督で大正解だったと思う。三谷自身にも「星護じゃなきゃやらない。」といった審美観を持ち合わせていた。他の監督、演出家だったらどうだったのだろう?ここまでの映像表現は、できなかったのではないか。いかに星護が三谷の考えを汲取り、上手く映像にし、舞台版を映画版に昇華(=ある状態から、さらに高度な状態へ飛躍すること。)しているのがわかる。

 オープニング(一日目)から、星護監督の映像表現の上手さが、ほとばしる。浅草の街並に貼られたポスターや看板、劇場での観客の笑いのシーン、警視庁保安課、向坂睦男役(役所広司)が、脚本を読みながら、不許可、許可と、ハンコをバンバン押すシーン、警察で台本の検閲を受けなければ上演できない、作家達の悲喜こもごもなど。

 ほとんど台詞が無くても、 向坂が何の仕事をしているのか一目瞭然だからだ。これを舞台版で表現するのは不可能。だから映画版の方がいい。三谷監督だったら一日目最初の8分間を、ここまで出来なかったと思う。

 映画版でカラスの話しが無いのは取るに足らないことだ。この映画の一番重要なのは、向坂睦男と椿一役 (稲垣五郎)の2人の男が7日間を通して、どう心情が変化していくか、だからだ。

 1日目から他愛のない話(「舞台版」ではカラスの話、「映画版」では今川焼きの話)からはじまるので、だらだらしている。舞台版のほうが飽きやすいと思う。無理難題を向坂は、一日一日、椿の脚本に注文を小出してくるが、それをクリアーしていく。

 「設定を日本に変えて下さい。」→「お国のためという台詞を入れてください。」→「神吉、お宮の接吻の場面を外してください。」→「登場人物の中に警察官を一人出していただきたい。」

 向坂と椿とのやりとりが面白いと思うか、思わないかで、この作品の評価は大きく分かれるだろう。

 長文になりそうなので、その2で書きます。

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