「映画」「舞台(芝居)」「TVドラマ」「TVゲーム」「特撮」「俳優」「バラエティー」「お笑い芸人」「漫画」「小説」「怪談」など批評、評価、感想、意見、注文、いろいろ書きます。

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映画「アマデウス」レビュー

2008.02.25
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(2009/03/11)
F・マーリー・エイブラハムエリザベス・ベリッジ

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 この映画をもし凡作、駄作、あるいは佳作だという人がいるとすれば、それは元から映画の楽しみ方を知らないといっていいだろう。映画を楽しむ事とは無縁の人である。

 脚本、監督、演出、衣装、音楽、美術、俳優、すべてにおいて非の打ち所がない。アカデミー賞8部門を獲得して当然の作品である。

 「モーツァルトよ!お前の曲がもっと聴きたい。もっと私に曲を書いてくれ!」サリエリの本心は、実はこうではなかったのか。モーツァルトの才能を見抜き、もっとも作品を愛し、理解していたのはサリエリ自身だった。

 この映画は私の心に深く突き刺さり、頭に「ガツン」とハンマーで叩かれたような衝撃だった。(というとちょっと大げさかもしれない。)私の心にいつまでも残り、余韻に浸っていたい映画だ。もうすでに5回は観ただろうか10年に一本でてきた映画だと言える。いや生涯忘れられない映画となった。

 モーツァルトの生涯を単になぞらえた映画だったら大失敗していただろう。この映画を名作としているのは、サリエリの目を通してモーツァルトを描いているからだ。

 「モーツァルト許してくれ。告白する、お前を殺したのは私だ。」と自殺未遂の果てに精神病棟に入ったサリエリが、神父に語りかけるように物語が進行していく。回想しながら展開していく演出は見事だといっていい。神父に向けられるサリエリの表情は、時に優しく、時に激しく揺れ動く。

 モーツァルトに対する憎しみ、復讐、渇望、不安、怖れ、憧れ、焦燥、サリエリの長きに渡る苦しみはいかばかりか。胸中を察するに余りある。

 「嫉妬」というキーワードをなしにこの映画は語れない。

 モーツァルトが紳士的で大人の男性であれば、サリエリのモーツァルトに対する嫉妬心はそれほどでもなかっただろう。ところがモーツァルトは高慢で、女のケツを追い掛け回す品性下劣な男である。

 陛下、男爵、宮廷楽長、劇場監督の目の前で、サリエリが陛下のために作曲した作品を、モーツァルトはあっさりと即興で編曲してしまう。サリエリにしてみたら、はらわたが煮えくり返る思いだったはずだ。編曲したほうがいい曲だったからだ。

 「なぜ神は下品な若者を選んだのか。」サリエリは、神をも裏切り十字架を焼き払ってしまうシーンは、サリエリの激しい憎しみの感情が見て取れる。

 サリエリによって語られるオペラも見所の一つだ。モーツァルトのオペラは斬新でアイデア満載だったのだろう。サリエリは一日たりとも見逃さなかった。作品が完璧だったからだ。観客の拍手喝采、スタンディングオーベーションがすべてを物語る。

 「神は私を殺し、私を生き地獄に32年間、自分が忘れ去られるさまを、この目で見続けさせた。私の音楽が廃れていくのを今や誰に演奏される事もない 彼の曲は、、、。」

 このサリエリの台詞の先は「永遠に残り、未来永劫演奏される、、、。」

 車椅子でサリエリが運ばれるシーンからエンディングロールにいたるまで、私は涙が止まらなかった。サリエリの気持ちが痛いほどわかるからだ。そう、この私も凡人なのだから。

 最後のモーツァルトの笑い声は一体何を意味するのか?(モーツァルトの声を借りて)「神は、あの世でも私のことを馬鹿にしているのか?せせら笑っているのか?」サリエリの心の叫び声が聞こえてきそうである。

Amadeus Trailer (アマデウス 予告編) 
   

テーマ : 心に残る映画

ジャンル : 映画

コメント
No:25|
実は、これでも書き足りないぐらいです。

モーツァルトと父、妻との関係。モーツァルトとサりエリの曲作りの共同作業など。
サリエリの父は音楽をまったく理解していなかった。
ところが、「奇跡が起きた!」と父親があっさりと死んでしまう。
神に感謝したが、それなのに神は私を、、、。
本当に展開が面白すぎる作品です。これを書いた脚本家は凄すぎます。

那田さんは、映画の先生(専門家)なので書き込むのがちょっとプレッシャーです。あと掲示板は毎日見に行っています。
2008/02/27 02:46|by クラさん|クラさん URL|編集
No:24|同感
私は映画を教えている専門家ですが、「アマデウス」批評は素晴らしい。
書かれている通りです。
サリエリの視点から「下品な天才」を讃え、一方で神を呪う、という複雑な心境があの映画の見所です。
素晴らしい批評を読みました。
ときどき掲示板に遊びに来てね。
2008/02/26 06:48|by 那田尚史|那田尚史 URL|編集
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